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「玉がまだ見つからないのだね。でもあきらめてはいけないよ。根気よく探せば必ず見つかるからね。」 悲しそうに松を見上げて答える妻の竜は、すっかりやつれていました。 「なんとかして、玉を見つけて天上へ帰ってくれ。わたしの所へもどってくれ!」 夫の竜は、久しぶりに出会うことのできた妻の竜になんの手助けもできず、もどかしさに身をふるわせました。 「わかりました。がんばります……。」 夫の竜にはげまされた妻の竜は、気を取り直して池の方へ向っていきました。こうして、池の中をくまなく探す日々が続きました。しかし、玉はなかなかみつかりません。月日は流れましたが、玉はやっぱり見当たりません。とうとうこの芦のおいしげった池のあたりの主となって、玉を探しながら住むようになってしまいました。 (ああ、あわれじゃのう。不注意で玉を落としたのじゃから、こらしめのために玉が見つからないようにしむけたのじゃが。もう、いいじゃろう……。) とつぶやきました。そして、ある日、夫の竜を呼びました。 「なにか御用でございますか。」 夫の竜は、帝釈天様のおっしゃることを一つ一つうなづきながら、しっかりと聞きました。暗闇に一すじの光がすうっとさしこんできたような気がして胸がおどりました。 「ありがとうございます。では、さっそく妻の竜に知らせてやりたいと思います。」 夫の竜は、池の近くの松の木へ急ぎました。妻の竜は、広い池の中か、芦のしげみのどこかにいるはずです。夫の竜は、木の枝から身をのり出して大声で話しました。次の日も次の日も松の木の上から、夫の竜の声があたりにひびきわたりました。これを聞きつけた妻の竜は、元気を取りもどし、静かにその日を待つことにしました。 |
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